2014/07/31

マウスの性能のゴールはどこなのか?

LogicoolのG402が発表されましたね。
詳しい部分はrafaさんが記事にされています。という感じでぶん投げます。

カタログスペックだけ見れば、「デバイス勢が選ぶ このマウスが強い -2014-」にノミネートされるであろうスペックです。筐体重量を100g程度に収めてきたという、G502の唯一の欠点を潰してきた所が大きいですね。

この中でも特に驚いたのが、「マウスパッドG240の上」という限定的な条件ですが500IPSという数字を叩き出してきたことです。G402のスペック(英語) 
この性能の実現方法については色々と言いたいことがあるのですが、それはいずれ機会があれば。
IPSという単位は"Inch Per Second”、つまり一秒毎に何インチ進むかという速度の単位です。ちなみに1インチは2.54cmで、アメリカなどで使用される長さの単位です。
今回は500IPS、という数字が出てきましたがマウスというデバイスが何IPSまで対応できれば十分なのでしょうか。

簡単に見積もってみましょう。

人類の活動の中で「それなりの制御下で腕を最速で振る行動」に合致しそうな野球の投球で考えてみます。

超一流選手では150km/hの速度でボールを投射することが出来ますね。
しかし、これはボールの質量による遠心力も利用しての数字ですし、極々一部の才能に恵まれた個体が実現する値なので、とりあえず100km/hとして良いでしょう。ボールの速度が100km/hは投射時の手の速度とほぼ同じです。

ここまでで既に仮定だらけですが、とりあえず人が腕を振る最高速度は10km/h程度に小さいわけでもないし、1000km/hを超えるほど大きくもないという目安は分かります。


単位が違うと比較になりませんので、100km/hをIPSに変換します。
まずはkmをcmに直します。
100 * 1000 * 100 = 10000000 cm/h

これは1時間で進む距離なので一秒あたりの距離に直します。
10000000 / ( 60 * 60 ) = 2777.777... ≒ 2778 cm/s

毎秒2778cmくらいですね。インチに直します。
2778 / 2.54 = 1094 IPS

というわけで、だいたい1000IPSくらいあれば十分という見込みが立ちました。
現状の到達点では500IPSなのでそれなりに達成できそうに見えますね。順調に改良が進めばいずれは、人間がどんなに頑張ってマウスを振っても物理的にトラッキングエラーを起こせないようなセンサーが出来ると思います。

ちなみに私の経験では、250IPS出すのでもかなり頑張って腕を振る必要があります。
プレイ中の場合は最大でも200IPS程度しか出ていないのではないのでしょうか。瞬間的に300IPSくらい超えてることは稀にあるかもしれません。

これらの数字が見積もりの1000IPSと剥離しているのは私の筋力の問題もありますが、野球の投球の場合は全身を使って腕の速度を出すからですね。ゲームをしている際は、基本的に肩から先しか動かさないので数百IPSに留まります。


「IPSをどうやって上げるか」という話ですが、民生品でシステム全体としては500IPSを達成できる、ということは恐らく実験室レベルでは1000IPSを到達しているでしょう。後はコストとか、状況(トラッキング面)が限定されるとかの諸問題が絡んでいるのでしょうね。数年後には出てくると思うので楽しみにしておきましょう。

2014/07/28

作戦会議、しましょうか!

「作戦とかを説明する時に適切なサービスって無いのかな」と探していた所、いい感じのサービスを発見したので紹介。

Magical Draw
本当はお絵かきチャットのサービスなのですが、FPSの作戦会議にも最適なのではないかと思います。

このサービスの良い所は、
  ・無料
  ・登録不要で部屋の作成・参加ができる
  ・URLを知らなければ入れない設定にできる ( プライベート性あり )
  ・複数人で画像の編集ができる
  ・レイヤーがあるため、下地にマップを置いてもそれは消えない
という感じで、FPSにおける作戦会議に非常に都合が良いと思います ( 当社比 )。

下地の追加方法

下図のような感じでLayer2にマップの画像を追加します。
マップの画像は、マップのロード画面のキャプチャを使えば良いでしょう。


2014/07/05

マウスソールの厚さとDPIの関係

タイトルの通り実は、DPIはいつでも設定値通り出ているわけではなく、滑走面との距離によって変化します。
特に変化が著しいのがセンシング用光源にLEDを用いる光学センサの場合です。
レーザーセンサの場合は大きな変化はないです。

それでは、どのくらい変化するか例を見てみましょう。
ちなみに滑走面距離とDPIとの関係はセンサのデータシートに書いてあります。

ADNS-3090のデータシートより
例えば、ソールが0.2mm削れたとしたら、約100DPI変化することが分かりますね。
元は3500DPIですので、3600DPI相当になります。およそ2.9%の上昇です。振り向き20cmのプレイヤーの場合でしたら振り向きが約6mm短くなります。この値と大きいと感じるかどうかは人によると思うのですが、「AIM調整した後にソールを張り替えた」というような状況は避けたほうがよいでしょう。

しかしソールの張替え時に問題になるのは、むしろソールの表面状態の差による摩擦係数の変化だったりします。

またグラフの通り、滑走面の材質によってもDPIはわずかに異なります。