2014/06/06

レーザーセンサと光学センサ

レーザーと光学の定義 :
レーザーセンサと光学センサという分類法、違和感がありますよね ( 個人の感想です )。
レーザーとLED、発光方式に違いがありますし、コヒーレンシーの有無での違いもあるのですが、「光」であるのに変わりはないので、「双方ともに光を利用しているので、光学式なのでは・・・?」と毎回考えてしまいます。

この不可解なネーミングの経緯としては、もともとLEDを光源とした光学センサの後にレーザーセンサが出てきたのですが、

・( 従来型のLED光源の ) 光学式センサ
・( 新型の ) レーザーセンサ

この時のデバイス・センサメーカが、「レーザー」という文言を強く押し出した広告戦略が非常に影響していると考えられます。
英語でもOpticalとLaserという括りですが、Opticalという単語に「コヒーレンシーを含まないものを指す」とか定義されているのでしょうか。多分無いですね。

現状の呼称、結構モヤモヤするのでLEDセンサ ( LED Sensor ) と レーザーセンサ ( Laser Sensor ) に変えて欲しいのですが、誰かが変えようとする見込みも無いですし、変わらないでしょうね。
LEDという単語自体、最近は文章的にも工業的にも使用頻度が極端に上昇していてサイバーで未来チックなテイストの単語では無くなってきていますので広報的な意味でのチャンスはほぼ無くなったと言って良いでしょう。

レーザーとLED、どちらがシステムとして優れているのか、というのが疑問なのですが、メーカも双方の方式をラインアップしているあたり、甲乙付けがたいというのが結論なのでしょうか。
厳密にトラッキング面と速度域、解像度を指定できれば確実にどちらかの方式に絞れると思うのですが、コンシューマ向け製品という性質上、それは不可能です。

また、工学的での優劣以外の部分、つまりユーザーの心象や出荷台数、コスト等を考慮すると光学式に軍配が上がります。

日本でほぼ唯一のゲーミングマウスメーカであった(去年解散)DHARMAPOINT的には、大きな差はないものの、レーザーの方がスペック的には優れているという主張でした。その上で、企業としては光学センサのモデルもリリースするというスタンスですね
そう言い切れるに至ったプロセスと詳細が非常に気になりますが、今はもう聞けない悲しみ。
( ダーマ、なんで終わったんでしょうね。やはり遅延騒動が間接的な要因なのでしょうか。 )


以下余談 :
あえて光学式と対比されるのは機械式でしょうか。代表的なものは以下。
・ボールの回転を2軸のエンコーダで変位としてセンシングするボールマウスやトラックボールマウス
・ひずみゲージの電気抵抗値を変位に変換するポインティング・スティック ( 赤いIBM社のトラックポイントが有名 )

後は、タッチパッドやペンタブレット等の、ある任意の領域の静電容量の変化をセンシングしてポインティングを行う静電容量式ですね。


 ゲーミングマウスを日常的に使っているので、光学式が最も優れているとは思うのですが、個人的に、状況次第で優位性があると考えているのは、

・文章打ち込み時などに手をホームポジションから動かす必要のないポインティングスティック
・極めて高速かつ正確な絶対座標でのポインティングが行えるペンタブレット
・腕を動かす必要がなく、接地面に関しても制約が少ないトラックボールマウス

これらの3種です。

個人的に、メカニカルスイッチ+ポインティングスティックを搭載したキーボードはメーカが考え ( リリースされる製品の少なさ的な意味で ) ている以上に需要があるのではないかと思っているのですがどうなんでしょう。安価なら買ってしまうかも。
事務作業において、一般的なユーザは操作に熟練していくとキーボードのみの操作が増えていき、補助的な動作にのみマウスを使用するようになる傾向にあるので、できるだけ腕の移動を省くという思想は必要ではないのかと考えています。
まあ、恐らくそれらを勘定に入れ、コストや諸々のパラメタを考慮した上での判断なのでしょうけど。

2 件のコメント:

  1. レーザーと光学という分類は私も当初から強い違和感を持っていました。
    しかし業界の第一人者であったAvagoが
    LED-Basedセンサー と Laser-Streamセンサー に分類していたため
    深く考えずそれに倣っておくかなぁと。

    採用メーカーのほうもVCSELタイプのほうがスペック的に優れていると主張し
    鳴り物入りで登場したのは良かったですが
    蓋を開けてみると、トラブルがおき難く安定した性能を出出すのは従来型のLED-Basedで
    今更になって高性能マウス用のハイエンドセンサーが
    LED-Basedへ回帰していってるのは滑稽ですらあります。
    ⇒ Avago S3988 /Pixart PMW3310DH PMW3366DM 等

    光源としてレーザーを使った方が性能的に優れていることを証明する技術資料とか
    Pixartが公開してくれると嬉しいのですけどね:p

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    1. rafaさん

      コメントありがとうございます。

      >光源としてレーザーを使った方が性能的に優れていることを証明する技術資料とか
      >Pixartが公開してくれると嬉しいのですけどね:p

      素人考えだと、フレームレートを上げればその分IPSやDPIを増加出来ると思うので、フレームレートが高いレーザーの方がカタログ上は性能が上というのはうなずけるのですが。
      そもそもなぜレーザーの方がフレームレートが大きく取れるのでしょうね。
      同じパッケージに発光部を載せることで照射範囲を限定+レンズで集光させて、(センサ受光部への)見かけ上の出力を上げる→センサへの光量が増えて露光時間を減らせる。とかでしょうか。

      また、(レーザのドライバさえ実装すれば)ワンパッケージで完結する付随的な効果として、メーカ的には実装(製造)が楽ですよね。LED用のカバーも必要ないですし、LEDの足を曲げる必要もないです。

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